コーヒーの歴史 珈琲飲用の起源〜イスラム世界へ

コーヒーの歴史


植物としてのコーヒー(コフィア属)はすべてアフリカが起源です。
コーヒーについて初めて記録として残っているのは10〜11世紀のイスラムの大医学者ラーゼスとアヴィセンナがコーヒーの実の薬効に言及している文献です。
コーヒーの種の記録なのでまだ飲み物としては飲まれていません。


コーヒー飲用の始まりについて、有名な2つの伝説があるのでご紹介します。

ザブハーニの逸話

エチオピアでコーヒーの薬効と覚醒作用をしり、アデンのイスラム宗教界(スーフィー)に広めたという伝説

シーク・オマルの伝説

13世紀末のイスラム修道僧で人気の祈祷師シークオマル。
ある日モカ(現在のイエメンの沿岸地域の港町)の王の娘の病気を祈祷で癒したとき、オマールはこの娘に恋をして詩まいました。このことが王様にバレてしまい、国を追放されました。
そしてオマールはオウサブという地の洞窟で草木を食う生活を強いられていました。あるとき美しい鳥に導かれコーヒーの果実を発見しました。
その果実を持ち帰り、スープを作ってみると素晴らしく香りのいい元気の出る飲み物ができた。
それが現在のコーヒーだという伝説

ロコ
ロコ

まだ少し後の話ですが
この「モカ」はコーヒーにとって重要な港町となります。

カルディの伝説

カルディとよばれるアラビア人の山羊飼いがいました。
あるとき普段はおとなしい羊が赤い木の実を食べると騒がしく、興奮状態担っていることに気がつきました。
近くの修道院を訪ねて相談してみたところ、院長は不思議に思い、その赤い実の効能(カフェインの効果と思われる)を自ら試しました。茹でて飲んでみたところ、気分が非常に爽快になったそう。
これに驚き、夜の祈祷中に居眠りする修道僧に飲ませてみ流ことにしました。
すると弟子たちは居眠りすることなく勤行に励むことができました。
その修道院は「眠らない修道院」として有名になり、その魔法みたいな効能の実がこぞって求められるようになりました。

ロコ<br><br>
ロコ


カルディコーヒーの店名の由来はこのお話からきています

上記の二つのお話はあくまで伝説ですが、現在文献で確実に遡れる限りでは、コーヒーを飲み物として常用し始めたのは、アラビア半島のアデン近辺でおそらく15世紀半ばにエチオピアから持ち込まれたものと推測されます。

ザブハーニの逸話

イエメンのザブハーニというイスラム教師がエチオピアに旅行をした際、コーヒーの効能について知りました。母国へ帰国した後、ザブハーニは病気になってしまいます。
そのときエチオピアで知ったコーヒーのことを思い出し、現地から取り寄せコーヒーを飲みました。
するとたちまち病気が治り、さらに眠気も払うことができました。
そしてコーヒーを飲むことを人に伝えることにしました。ザブハーニの文献にはこう記されています。
「法律家や学生ばかりか、世歩く旅人、芸術家など日中の暑さを避けって夜働く人々は、もっぱらコーヒーを飲むようになった」と。

ロコ
ロコ

◯薬の話かな?

15世紀にイスラム世界へ浸透

正確な起源は謎のままですが、15世紀にはアデンで歴史の表舞台に立ったコーヒー。
長期間の輸送や保存にも耐えることから、程なくイエメン全土に知れ渡り、イスラム圏の他の地域にも広がっていきました・
イエメンのアデン、モカを経由し、1470〜1495年にはイスラムの聖地メッカやメディナでコーヒーが飲まれるようになりました。
1500年ごろにはカフェハネ(コーヒー専門店)がメッカで生まれたといわれています。
アルコール禁止のイスラム社会においてカフェハネは市民交流の場として発展します。
カフェハネは基本的には男性の集まる場であり、当時の女性はハマームと呼ばれる公衆浴場が交流の場でした。

1510年頃には当時イスラムの超大国、エジプト・マムルーク朝のカイロにもコーヒーが伝わりました。
そのマムルーク朝と争っていたもう一つのイスラムの超大国がオスマン帝国です。
1517年、オスマン皇帝セリム1世がカイロに侵攻。マムルーク朝を滅ぼします。
この戦争によりマムルーク朝の領土だったイエメンはオスマン帝国の領地となります。
この頃すでにコーヒーは多くのイスラム教徒に愛飲され、その商品価値を見抜いたオスマン帝国は
現地人にコーヒーノキの栽培を強く奨励します。


16世紀半ばにオスマン帝国が全盛期を迎えるなかでコーヒーやカフェハネが流行
手回し式の焙煎機やコーヒーミルなどのコーヒー専用器具もコンスタンティノープルで考案されたといわれており、その後のコーヒー文化や技術の発展に大きな影響を与えました。

15世紀ってどんな時代?

1453年、オスマン帝国により東ローマ帝国が滅ぼされ、古代から続いてきたローマ帝国は完全に滅亡しました。ヨーロッパは中世の終わりを迎えました。
オスマン帝国の勢力が拡大し地中海の交易を支配したため、ヨーロッパでは15世紀中頃から新たな交易ルートの開拓を開始。スペインやポルトガルを中心に大航海時代に突入しました。
1492年、コロンブスがアメリカ大陸に到達しました。

日本は室町時代後期
応仁の乱がおき、室町幕府権力の著しい低下。日本各地に戦国大名が乱立しました。

豆知識
豆知識

日本にコーヒーが始めて入ってきたのは、およそ300年前の江戸時代1700年代
1700年代初頭、長崎の出島にあったオランダ商館であると思われます
コーヒーを味わえた人は、出島に出入りしていた遊女あるいは通詞等、ごく限られた人でした。もっとも日本人好みではなかったみたい「焦げ臭くして味ふるに堪えず

カフェのはじまり

イスラム世界にコーヒーが浸透するにつれ、人々が集いコーヒーを楽しむ場所「コーヒーの家」が
各地で栄えました。
15世紀末にメッカに始まり、1510年頃にカイロで、シリアのダマスカスを経て
1554年にはコンスタンティノープルにカフェができました。

豆知識
豆知識

少し飛びますが
1625年エジプト・カイロで初めてコーヒーに砂糖が使われたとされています

コーヒーの弾圧

16世紀中頃、コーヒーがイスラム世界に浸透するにつれ、コーヒーの功罪を巡って論争が起こり
たびたびコーヒーを弾圧する運動がおきました。
    ・コーランの教えに反していないか
    ・心身に有害か否か
    ・コーヒーとカフェが社会にとって有害か
こうした論争を乗り越えて16世紀末にはほぼイスラム圏全域に広がりました。

イスラム圏で広がるにつれ、中近東とヨーロッパを行き来する商人を中心に
ヨーロッパでもコーヒーという飲み物の存在が知られ始めました。

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